大人の本音ちゃんのお作法
〜“してほしい”が強すぎると、愛は「奪う行為」にすり替わる〜

私は長年、がんばってきた女性たちとたくさん関わってきました。
人のために動いて、期待に応えて、誰かを優先して、
たくさん我慢してきた女性たち。
そんな彼女たちが、ある日ふと
「もう自分に嘘をつきたくない」
「本音で生きたい」
そう思って、勇気を出して自分の気持ちを伝える瞬間があります。
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けれど──
その“本音”を伝えたあとに、
・人間関係がぎくしゃくした
・相手が距離を置くようになった
・逆に、自分が傷ついてしまった
そんな経験をした方、いませんか?
実はそこに、大切な“落とし穴”があるんです。
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たとえばこんな言葉。
「なんで連絡くれなかったの?」
「もっと私を大事にしてくれてもよくない?」
「私ばっかり我慢してる気がするんだけど」
これ、本人としては「正直な気持ち=本音」のつもりかもしれません。
でも、よくよく見つめてみると──
その言葉には
「あなたが私を満たしてよ」という強い“期待”と“依存”
が含まれていることがあるのです。
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期待すること、お願いすること、寂しさを伝えること。
それ自体は、悪くありません。
むしろ、人と関係を築くうえで必要なこと。
でも、そのエネルギーが
「あなたがそうしてくれないと、私は幸せになれない」
というものになってしまったとき──
それはもう、“愛”ではなく、
自分はまったく意図していないのに
“相手から何かを奪おうとする行為”に変わってしまっているんです。
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この状態が続くとどうなるか?
相手は「何をしても満たされない感じがする」
「責められてるように感じる」
「自由がなくて、窮屈だ」と感じ始め、
関係がだんだんと冷えていきます。
本当は、愛されたかっただけなのに、
「してほしい」「わかってほしい」「察してほしい」が
強くなりすぎて、
愛が“求めるだけのもの”になってしまうんです。
パートナーとの関係が上手く行かなくなる女性起業家に多いです。
仕事を頑張っている分だけプライベートでは癒されたい。
って思っちゃいますよね!
(もしくは、諦めちゃうか。)
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そしてもう一つ、大切なことがあります。
それは、
この「欲しい」「満たしてほしい」という気持ちは、
実は相手に向けているようで、
本当は「自分自身にあなたに気づいてほしい」という
叫びであることが多いんです!
本当はね、
「ずっとがんばってきた」
「本当はさみしかった」
「ちゃんと見てほしかった」
…そのことに、
自分自身がまず気づいてあげていないから、
無意識に「誰かに気づいてもらおう」
「満たしてもらおう」と外側に気持ちが漏れ出してしまうんです。
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だから、もし今あなたが誰かに対して
「もっとわかってほしい!」
「こうしてくれないのはおかしい!」
「私ばっかり…」と思っているなら。
一度だけ、その気持ちを相手にぶつける前に、
自分の心にこう問いかけてみてほしいのです。
「私は今、何がさみしいんだろう?」
「私が自分で自分を満たせることって、何かあるかな?」
「本当は、どんな言葉を自分にかけてほしかったんだろう?」
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「本音」とは、誰かを動かすためのものではなく、
まずは“自分の真ん中”とつながるためのもの*。
そして、そこから整った言葉で相手に届けられた時、
本音は“奪う言葉”ではなく、
“相手と深くつながる言葉”になります。
自分と深くつながれるとパートナーに求め過ぎが減っていきます。
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今日の問い(ゆっくり自分に聴いてみてください)
あなたの「本音」、
それは愛の言葉ですか?
それとも、誰かに満たしてほしいという“奪う言葉”になっていませんか?
まずは、自分の気持ちを、
自分が一番にわかってあげましょう。
それが、本当の意味での「自立した本音」です。